CART IS EMPTY
カートに商品が入っておりません
Less is beauty
カートに商品が入っておりません
本はジャケ買い、直感に身を委ねて。/mi-mollet 副編集長 川端里恵
昔から「本」というものが大好きで、出版社に入りました。
時を経て、いまはWebメディアの編集をしているわけですが、やっぱり寝る前に紙を見るとほっとするんですよね。
本はたくさん買いますが、覚えておける数しか持たないようにしています。新しく買った本が本棚に入らなかったら、昔の本はどんどん人にあげてしまいます。お洋服やコスメも同じですが、愛着がないものを家に置いたままにしておくと、なんだか心が消耗してしまうんですよね。
読み方は、気分任せ。
ぺらぺらとめくって途中から読んだり、最後まで読まなかったり。
一冊読みきるというプレッシャーを自分にかけない方が、楽しめると思っています。
最近、本を選ぶときは「ジャケ買い」です。
読書好きなのに見た目で選ぶんですか?と驚かれるかもしれませんが、表紙や装丁にぴんときたら、たいてい内容もその時の自分に合ってるんです。逆に、店頭に平積みされているベストセラーでも、デザインを見て「家に置きたい」と感じなければ買いません。
本でも映画でも買い物でも、SNSや口コミサイトでいくらでも前情報を得られてしまう時代。
先にそちらが頭に入ってしまうと、自分の感想も引っ張られてしまう気がします。
私もメディア編集として情報を発信する仕事をしていますが、だからこそ、外の情報より、自分の直感を大切にすることは本当に大事だなと痛感します。
自分がいいと思うものが何なのか、それは本当は自分の内側からしか出てこないからです。
私たちは、多かれ少なかれ、社会の中で自分の快・不快を押し殺して生きています。
でも、自粛期間を通していろんなことが「本当は必要ないことだった」ということに気づいてしまいました。満員電車で通うオフィス、痛いのを我慢していたヒール、付き合いの飲み会。
社会は少しずつもとに戻っていくのでしょうけれど、気づいてしまったという事実は不可逆で、もう気づいていなかった自分には戻れません。
何が大事なのか、その優先順位は、会社も国も決めてくれない。
仕事と家族のバランスや、働く環境など、自分で決めていくしかないんですよね。
表紙だけ見て本を買うように、ふとひらいた頁を読むように、
自分の「直感」を信じてみることを、もっと大事にしてみてもいいのかもしれません。
川端さんに選書いただいた本の紹介ページはこちら
https://sen-n.com/books/yo-riekawabata/
<Profile>
川端里恵
1979年生まれ。ウェブマガジン「mi-mollet(ミモレ)」副編集長。『あしたのジョー』の大ファンで、講談社へ入社。おすすめの本を紹介するPodcast「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜」も毎週配信中。
Instagram:@batayomu
mi-mollet(ミモレ): https://mi-mollet.com/