日差しが強くなりはじめる昼下がり。

爽やかな仲夏の風になびく紺色の布幕をしるしとして、厳しい暑さの中、GALLERYの涼やかな空間に吸い込まれるように、次々とお客様が訪れます。

会場には、今までご縁のあった作家さんやクリエイターの方々の作品が一堂に集います。

皆さん、思い思いに作品を手に取りながら、ご自身の手元に迎えるうつわを選びます。

「水のような 空気のような 静かな陶」をコンセプトに活動されている陶磁器作家 塚崎愛さん。

空気をなだめるような、透明感あふれる作品たちに心が和らぎます。

何とも表現しがたい混ざり合うような色合いが特徴の安藤由香さんのうつわ。

SENNの2nd プロダクトである incense 淡のお香立ても手掛けていただきました。

暮らしの中に漂う曖昧さを受け入れてくれるような佇まいです。

京都を拠点に活動するビジュアル・コンポジット・アーティストのYUNA YAGIさんによる作品の展示。

「全てが存在するが何もない」という、大乗仏教の教えである「色即是空」の思想を写真というメディアで表現した、作品シリーズ「Blanc / Black」。

全てが写っているにもかかわらず、全てを認識することが出来ない白と黒の写真。

目には見えない、無限に重なりゆく時空を感じられる作品です。

日本の二十四節気を静かに表現するイラスト、アートディレクターの汐田瀬里奈さんによる作品です。

SENNの視点で見た儚くも美しい季節のうつろいを見事に表現されています。

作品展示を愉しんだ後は、SABOEとのコラボレーションで生まれたお茶「玉響」で抽出した冷茶でほっと一息。

くせのないすっきりとした日本茶らしい味わいの合茶、クロモジのスパイシーな風味とレモンの爽やかさが特徴のブレンド茶。

どちらのお茶も、菓子屋のなさんに手掛けていただいた、水菓子 夕（ゆうべ）との相性は抜群です。

ウォーターオイルバランサーを想起させる二層のグラデーションが美しいですね。

調香師 沙里さんによる〈刻の調香 – 半夏生ひらく -〉では、SENNの香りのキーノートでもある黒文字をはじめ、日本や世界の高文化とかかわりの深い、お清めのような役割をもつ香素材に触れる組香体験を行いました。

自分の心の声に正直に、静かに香りを楽しむ時間。最後は、6種のブレンド香料を用いてその場に集えた方々との一期一会をグラデーションのように重ねていきました。

瞑想ガイド AOさんによる〈ジャーナリング〉では、2022年後半を自分の心に寄り添って過ごすために、心からの願い＝サルカンパを決めました。

静寂の中に鳴り響くティンシャのベルの音。身も心もまっさらに浄化されていく感覚です。内に秘めた「願い」「想い」を掘り起こし、思うままに書き留めていきます。

これまで繋いできたご縁と、GALLERYで生まれた新しいご縁が結びついて、SENNを起点とした「輪」がだんだんと膨らんで広がっていく。

そんな「点」と「点」が繋がり、「線」が連なって「円 -EN-」となる瞬間を、SENN GALLERY -EN-では、たくさん目にすることが出来ました。

またみなさまにお会いできますように。

SENNはこれからも、心を豊かにする余白のひとときをお届けしていきます。