CART IS EMPTY
カートに商品が入っておりません
Less is beauty
カートに商品が入っておりません
心を添える白。/ かみ添 嘉戸浩
紙は、それそのものだけでは機能しません。
そこに文字を書くと人に思いが伝わったり、色や文様をつけて空間を彩ったり、
なにかが添えられた時に、はじめて価値が生まれるんです。
だからこそ、紙自体はできる限り薄化粧にして
素材の良さを引き出すようなものづくりをしています。
なにか新しいことをしようと思った時、色を強くしたり、文様を重ねたり「足し算」をしがちです。
紙をオーダーしてくれるお客さんもせっかくいい紙だからと、いろいろオプションをつけたくなってしまったり。
だからこちらは、常に「引き算」して、控えめに抑えられるかの駆け引きですよ。
結果としてかみ添の唐紙は、白い紙に白い絵の具を乗せたものが多い。
唐紙をよくご存知の方からすれば「自分何もしてないやん」と思う人もいそうですが、外から入ってきた私の目には、紙のテクスチャーや触感、素材そのもので充分美しく映るのです。
これから先、もっといろんなことが発達してペーパーレスは進んでいきますが
そうなればなるほど、手作りのものに惹かれるようになると思います。
障子や壁紙などの建築材にしても、ビニールやコンクリートなどの方が汚れなくてお手入れも便利です。でも、経年変化でどんどん風合いがよくなっていく自然の素材も、味わい深いものです。
メールは、情報を共有するには便利だし、もちろん僕も使いますが、手書きの文字には、気持ちと時間が乗っていく。それは、相手へ一番伝わる「心配り」です。
手紙を書いたり、何か文字をしたためるときには、
綺麗に文字を書こうとか、紙を汚さないようにとか
何かをコントロールしようとは想わず自然のまま紙と向き合って。
文字を間違えても、紙にシワが入っても、それはそれでよし。
紙に寄り添うように、あなたの自然体のままで。
<Profile>
嘉戸浩
1998年京都嵯峨美術短期大学専攻科プロダクトデザイン学科卒業。2001年サンフランシスコ私立アカデミー総合芸術大学 グラフィックデザイン科卒業。卒業後ニューヨークへ移り、雑誌社でインターンシップ、アートプロダクションを経験すると同時に、幾つかのデザイン事務所でフリーランスデザイナーとして活動。帰国後、唐紙の老舗工房に入る。2009年独立、同年9月ショップ兼工房「かみ添」を職人の街京都西陣にオープン。
HP: http://kamisoe.com/
Instagram:@kamisoe_kyoto