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整えることからはじまる /Ethical designer 石井瑛真

時代の先陣をきって「サステナビリティ」をテーマに服作りをしてきた、石井瑛真さん。今、改めてその意味を問い直して、じっくり自分と向き合っています。その中で見えてきた自分が本当に大切にしたいことを、搾りたての言葉でお話しくださいました。
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整えることからはじまる /Ethical designer 石井瑛真04

私がクリエイティブディレクターとしてサステナビリティをテーマに服を作り始めた頃は、ここまでサステナビリティがファッションのトレンドになるとは思っていませんでした。

でも、その意味を突き詰めて考えれば考えるほど、ひとつの正しい答えはないんです。

 

ゴミを減らすことが正だとしたら、そもそも服は作らないほうが良い。環境問題を解決すると言っても、緑を増やしたいのか、海を綺麗にしたいのか、それによっても行動は変わってきます。

 

私にとって「サステナビリティ」とはなんだろうということを、いま、もう一度考えています。

 

 

ようやく見えてきたのは、アートやファッション、環境問題、ひとりひとりが自分らしく生きること、それらを橋渡しするものとしての、「ととのえる」というテーマ。ひとりのデザイナーとして、自分自身も相手もマインドが整えられるようなものづくりがしたいんだなと気づきました。

 

本来デザイナーであれば、多くの人に届けることが一番の喜びなのかもしれません。でも、いまはその望みを手放して、ひとりの気持ちが本質的に豊かになるような、パーソナルなものを作りたいという思いがあります。

 

ひとりひとりの心に寄り添うものをつくるにあたって、少し先を見る感覚的な力が必要だ。そう考えたとき拠り所となるのは、最新のテクノロジーではなく、古代からの教えでした。今は、アーユルヴェーダの考えに基づいた「インド占星術」を勉強してみたり、日本古来の「暦」と「習し」を学びなおしています。

 

たとえば、日本に古くから親しまれてきた「草木染」では、藍や小豆など、それぞれの植物に意味や効能があって、染めわけられていました。また、大安に靴を下ろすとか、十五夜にはお団子をつくるとか、振り返ると実家でも受け継がれていた暦や習わしも、自分はちゃんとした意味を全然知らないということに気づきました。

 

自分自身も勉強しながら、これはまだできていないけれど、こうなりたいから、ここまで頑張っています、ということも含めてすべて共有していきたい。ブランドとお客様の信頼って、そういうことでしか作られないと思うから。

 

そのくらい覚悟して挑まないと、魂に訴えかけるようなものづくりはできないなと思っています。たくさんつくって、セールをして、半年ごとにそれを繰り返す、そんなファッション業界のルールも変えていかなければなりません。

 

いつか、一対一で相手の話を聞いて、その人自身の背中を押すような、包み込むような、そんなものづくりがしたい。そのときようやく自分のことを、一人前のデザイナーとして認められるのかもしれません。

 

ひとりひとりの心が整うことが連鎖していけば、結果的にサステナブルな世の中をつくっていくと信じて、これから、私もまた新しい一歩を踏み出します。

 

 

<PROFILE>

石井 瑛真 / Akemi Ishii

神奈川県出身。販売員からデザイナーに転身しEthical designerとして地球にやさしいものづくりを行う。CASA FLINEを立ち上げ20年にディレクターを退任。現在、より循環型なものづくりをするため起業準備中。

Instagram:@akemi_ishii_