CART IS EMPTY
カートに商品が入っておりません
Less is beauty
カートに商品が入っておりません
日常に点在する美しさに目を向ける/NAGI 羽田裕明
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瀬戸内は向島。
目の前に広がる穏やかな海に、ゆったりとした時間の流れを感じます。
民家の脇を縫うような細い路地を進んだ先、小さな丘の上に凛と佇むNAGI。
四季の巡りと共に、年に4回お店を開ける完全アポイント制の喫茶店です。
住所は非公開で、僅かな予約枠を掴んだ後に初めて知らされるその所在地。
平屋の住宅をリノベーションした店内には、羽田さんこだわりのしつらえが施されています。
▲ 古物の腰掛け
「NAGIというこの場は、抽象的で曖昧な存在でありたいという思いがあります。自分自身は珈琲、妻は季節の菓子を作っているけれど、この場所で“移ろい”や“時間”を感じるひとときを提供できたらなと。」
「お客さんにとって過度になってしまう情報は極力減らすようにしています。席もゆとりを持って区分けしているのはこのためです。静けさや、古来の日本人が美しいと感じていたものを表現したいと思っています。」
「とはいえ、非日常として捉えてほしい訳ではなくて。NAGIは、日常の延長の場所でありたいという思いがあります。NAGIでの時間を通して、皆さんの普段の生活の中にも、美しいものがいっぱい広がっていることに気がついてもらえたら嬉しいです。」
ふと立ち止まる時間が気づかせてくれる、日常に点在する美しさ。
SENNも減らす美容を通して、鏡の前でゆっくりと肌に触れて立ち止まり、自分と向き合う時間を過ごしてほしいと考えています。
▲ 壺:高橋亜希子
心地の良い静けさに包み込まれた空間に並ぶ、羽田さんの審美眼で選び抜かれた古物や作家物の数々。
ものを選ぶ上で大切にされていることは何か、お聞きしました。
▲ 陶仏:二見光宇馬(ご自宅)
「移ろいや、時間経過を共にしたいと思えるものを選んでいます。古物のように既に長い年月を経過したものや、これから経過していく姿を見ていきたい作家もの、共にです。常に新しく綺麗であること、というのは望んでいないし、それはとても不自然なことなのかなと。不可避なことに対して抗うのではなく潔いものに心惹かれるんだと思います。」
▲ 古物の板
「ここに飾っているのはただの虫食いの板なのですが、この虫食いが空を飛んでいる鳥の群れのように見えて。僕が惹かれるのは、造形や質感が自然であるものですね。“自然”というのも、無造作であるということと、自然から着想を得ていることの二つ意味合い。そして、その場を整えるような、存在として静かなものを美しいと感じます。」
▲ 絵:shunshun / 壺:野口寛斉(ご自宅)
「SENNに惹かれた理由もその一環なのだと思います。佇まいとして静かで主張なく、潔く、ただそのときどきで整える時間となるのが心地良いのかなと。」
SENNのウォーターオイルバランサーは、羽田さんがご自宅で移ろいを共にする幕末の日本で作られたという古物の棚に、お気に入りの小道具と並べられていました。
適度に入り込む外光と暗闇の調和が心地良い日本家屋。
オイルの量が異なる3種類のウォーターオイルバランサーがこだわりの照明に照らされる様子に、羽田さんの美意識が感じられます。
▲ 照明:FRAMA(ご自宅)
「機能的な面でも気に入っていますが、ここに置かれたウォーターオイルバランサーをただ眺める時間も好きです。初めて手に取った時にはまず、“Less is beauty”という言葉が体現されたこの佇まいに惹かれました。削ぎ落とす美しさや、自分本来の力を信じるという東洋的な思想にも共感しています。」
常にご自身の審美眼で、美しいものと向き合う羽田さんの暮らしにそっとSENNが馴染みます。
肌を整えるという行為は、ただスキンケアアイテムを肌に馴染ませるという工程ではなく
減らした先に生まれた余白の時間を楽しむという、暮らしそのものであることが
羽田さんのウォーターオイルバランサーの使い方から見えた気がします。
何気ない日常に、立ち止まり、ゆっくりと向き合う時間を過ごす時間を。
SENNの減らす美容がそのきっかけとなれたら嬉しいです。
<PROFILE>
羽田 裕明
東京の広告代理店での勤務を経て、2018年に広島県尾道の向島に移住。2020年に「NAGI」をオープン。季節ごとにアポイント制でお店を開け、夫婦で珈琲と季節の菓子を作る。喫茶だけでなく、NAGIでは作家の展覧会なども開催。学生の頃からの夢であった自分を表現する箱として、羽田さんの美意識が光る空間となっている。