“地の時代”から、”風の時代”へ。

200余年と続いた先の時代が終わり、大きな転換期となった2020年は、わたしたちの記憶に暗い影を落とす年になった。

先が見えない不安な毎日を送る中で、自分自身へと目を向けるようになったことは、もしかすると必然だったのかもしれない。

不意に生まれた余白の時間。

目まぐるしく変化する生活でいつのまにか置いてけぼりになっていた、自分の心を見つめなおすために使うようになった。

お香に火をともし、揺らぐ煙をただ眺める。

目を閉じて、香りの足跡をたどるように息を深く吸って、吐く。

何を心地いいと感じ、どうしてそう思うのか。

わたしという人間の根幹には何があるのか。

その答えを知るためのヒントを与えてくれたのが、この本だった。

「人生のリストを書く」というプロセスを通じて浮かび上がってくるのは、自分の内側、心の奥深いところにある、揺らがない部分。

本質と言ってもいいのではないだろうか。

“風の時代”では、目に見えないものーー

情報や思考、知性といった、個が持つ人間性に価値が見出されるようになるという。

どれだけ時間がかかってもいい。

余計なものを手放して、風の吹くまま、心の赴くままに、自分だけのリストを書いていく。

＜PROFILE＞

kiko

1993年、愛知県生まれ。

ファッションやコスメ、アクセサリーなど、さまざまなブランドのPRに携わる。Instagramでは自身のコーディネートのほか、暮らしの中で琴線にふれたものをジャンル問わず発信している。

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