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Less is beauty
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暮らしを変える、美しいもの / 塩⾕舞・守屋加賀
<PROFILE>
塩⾕舞
⽂筆家
Instagram:@ciotan
守屋加賀
⼤阪のギャラリー兼サロン、「ippo plus(イッポプリュス)」と「無由」主宰。年に数回、作家の展覧会と美しさに まつわる催しを開く
Instagram:@ippoplus_moriya
塩⾕さんと守屋さんの出会いは、塩谷さんの地元・大阪の千里ニュータウン。
守屋 私の⾃宅と舞ちゃんのご実家がご近所なんです。30年ぶりに再会した時は、舞ちゃんが“⽂筆家‧塩⾕舞”として活動していたとは露知らず。
塩⾕ 2020年のお正月、ニューヨークから一時帰国して、地元を歩いていたらギャラリーを見つけて。でもここ、守屋さんのおうちじゃなかったっけ?と不思議に思って調べてみたら、加賀ちゃんがギャラリストとして活躍されていると知って私もびっくり。 私が幼い頃から、加賀ちゃんは天然酵⺟のパンを作ってご近所さんに届けていたんですよね。そのパンが本当に美味しくて、我が家にとって加賀ちゃんのパンが⾷卓にあることはスペシャルでした。そうしたパンのお姉さんである加賀ちゃんが、知らないうちにギャラリストに!とびっくりして、そのときは家族みんなで驚いたんですよ。
守屋 舞ちゃんが⼀度ギャラリーに訪れてくれて、30年の⽉⽇を埋めるようにお互いのことをお喋りしたよね。
塩⾕ 小さかった近所の子どもが、突如よく喋る30代になって再登場。 守屋 そうそう(笑)。それからよく遊びに来てくれるようになったんですよね。
塩⾕ むしろippo plusの存在を知ってから、地元に帰る頻度がうんと上がったんですよ。生まれたときから高校卒業までずっと千里ニュータウンの中で過ごしていましたが、当時はなにもない退屈な場所だと思っていたから。
守屋 ティーンエイジャーからしたら何もないよね(笑)。
塩⾕ でも私がなにもないと思っていたところに“ippo plus”というギャラリーができて、そこに日本中、さらに海外からも⼈が訪れているのを目の当たりにして驚きました。当時の私はニューヨークで暮らしていて、当然周囲の人たちもニューヨークという場所に強いこだわりを持っていた。でも加賀ちゃんは、人通りも少ない住宅街でギャラリーを開き、わざわざ多くの人がそこに足を運んでくれている。目的地って作ることが出来るんだ、と感動したんです。
塩⾕ 加賀ちゃんと再会した時に、“どうして美しいものに惹かれるようになったの?”と尋ねられたのですが、そのとき私はきちんと答えられなくて。その答えを考えながら、後日“美しくあること”というエッセイを書いたんですよね。そこで今回、加賀ちゃんにも同じことを聞いてみたいと思って。 私は、加賀ちゃんほど美しいものに⼈⽣をかけている⼈は⾒たことがないから、そのエネルギーの理由を知りたいんです。
守屋 “⾃分にとって、美しいものは何か”、そもそも “美しいとはどういうことか” は、 常に考えますね。私にとって “美しい”とは、⾔葉にする前に、触れて⼼が動いたり、涙が出たり、声が出たり、⼈間に備わっている感覚が⽣まれることなんです。 言葉が生まれる以前から本来、人間に備わっている感覚が呼び覚まされる、とでもいうのでしょうか。
塩⾕ 感覚が。
守屋 だから、⾃分にとって“美しいもの”は分かりやすくて、⾃分の⼼が動くものだと思っています。
美しいものが好きなのは、それを1つ置いただけで、周りの空気を変えられるから。空気が変わると、⾃分の周りへの態度が変わり、暮らしも変わる。それが⾃分にとっては悦びなんだと思います。
塩⾕ ギャラリストという仕事が、としての活動は、本当に天職ですよね。
守屋 本当に。 私の仕事は作家さんがいないと成り⽴たないでしょう。私は0から1を創ることはできないけれど、作家さんが創ったものが最上の⾒え⽅になるよう、お客さまに提案することはできると思っています。作家さんの覚悟と、それを伝えるこちらの覚悟、そしてお客さまに“⾃分の⼈⽣に取り⼊れたい”と思っていただく覚悟を持って、毎回展覧会に挑んでいます。
塩⾕ 私も毎回挑むつもりで文章を書いているし、読む人にもそうした緊張感が伝わるようにと願っています。ippo plusは昔から知ってる加賀ちゃんのお家ということもあって懐かしい気持ちはありつつ、でも気持ちの良い緊張感があり、私はそれがとても好きです。
塩谷 プライベートな空気感を持ったギャラリーって、場所によっては常連さんと関係者の方がお喋りで盛り上がっていて、作品鑑賞の場としては少し居づらいな……ということもあるんですよね。もちろんippo plusも常連さんが多くて、とてもプライベートな空気もあるんですが、同時に作品を集中して観ることも出来る。
守屋 カメラのレンズの焦点を合わせるときのように、その空間に⼊って、何かパッと⽬に映ったものに⼼を奪われる瞬間ってあるでしょう。そこで店員さんに話しかけられるのが私はすごく嫌で。
その瞬間はお客様にとって、なぜそれに惹かれるのか、⾃⾝に向き合って問いかける⼤切な時間だと思うし、私はその様⼦を⾒守っていたい。だからギャラリーでお客様が展⽰品作品と対峙されているときは、なるべく声をかけないようにしています。
塩⾕ まず自分の感覚で作品に触れられるのは、とてもありがたいことです。あと、私は知り合いの展覧会だからといって、付き合いで何かを買うのが嫌なんです。でも、今の私には扱えないな、釣り合わないな……と思いながらippo plusで鑑賞する時間も好きだし、そうした判断も受け入れてもらっているような感じがするんですよね。
守屋 もちろん。結局付き合いで選んでも⼤事にしないし、ものが可哀想だから。知り合いの作家さんの展⽰に⾏っても、本当に⼼惹かれるものがなかったら、⼼を⿁にして買わないようにしています。
塩⾕ でもそうしていると、ほんとうに⼼惹かれるものと出会えた時の喜びはひとしおですよね。
塩⾕ 随分前にSENNチームから、守屋さんもウォーターオイルバランサーを愛用してくださっているんですよ、という話を聞いてびっくりしました。いつから使い始めたんですか?
守屋 3年前、料理家の細川亜⾐さんが紹介されていたのを⾒たのがきっかけでした。でも “5滴で良いの?”と最初は信じられなくて。亜⾐さんに直接尋ねてみたところ、“本当に5滴で良い”と教えてもらったので買ってみました。それからずっと使⽤していますね。
塩⾕ 料理家の方が言う「5滴で良い」というのは、人一倍説得⼒がありますね(笑)。
守屋 そう。そして私は置いて雑味のあるものは好きではないの ですが、ウォーターオイルバランサーはどこに置いても雑味がなく良かったんです。 あとは使⽤感。朝は⽔だけで顔を洗ってSENNをつけて。家を出ないときは化粧もしないのでそのまま過ごして、夜お⾵呂の後もまたSENNをつけて。なんの違和感もないので、3年間続けられています。
塩⾕ 私も最初は、5滴だけで良いというのが信じられなくて。でも⾹りがとても良かったので、まずは化粧水やクリームと併用しながら美容液代わりに使い始めました。でも出張に行くときは、出来る限り荷物を減らしたい。そこで思い切ってSENNのオイルだけを持って行って使ってみたら、意外にも肌が揺らぐことがなかったので、それから安心して使⽤するようになりました。プラスチックの詰替ボトルをホテルの洗面台に並べるよりも、ずっと気持ちが良いですしね。
守屋 30代でも50代でもこれ一つでいいって凄いことだと思う。50代になったら、もっと増やさないといけないと思っていたから。
塩谷 心強い! でもスキンケアのステップを減らしたのに、気持ちとしては今のほうが肌を大切にしてあげている感覚が大きくなっていて、なんだかとても逆説的だな、と。
守屋 要素を削ぎ落としたものを“シンプル”と⾔うけれど、⽇本語で⾔うと“簡素”になってしまって、私はその⾔葉に違和感がありました。そして同じことをSENNにも感じていたんですよね。 “シンプル”と表現するのはなんか違うなって。
でも、“純度”が⾼いもの、つまり“純化”されたものやことが私にとって削ぎ落とされたものなんだと気づいてスッキリしたんです。純度”が⾼ければ、削ぎ落としても“簡素”とは違う強度の高いうつくしさが立ち現れるんだと思います。だから今でも、SENNを使い続けているんだと思います。
常にご⾃⾝の審美眼で、美しいものと向き合うお⼆⼈の⾔葉から、 ウォーターオイルバランサーの真価も⾒えてきたような気がします。